渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ人材育成 ー人手不足時代に人事が考えたい「道徳と成果」の両立(埼玉発の経営思想)ー

渋沢栄一『論語と算盤』に学ぶ人材育成
― 人手不足時代に人事が考えたい「道徳と成果」の両立 ―

人手不足・共働き時代に難しくなる人材育成

経営者や人事担当者から、「人材育成がますます難しくなっている」という声を聞く機会が増えました。
人手不足が続くなかで、一人ひとりの業務量は増え、共働き世帯の増加など社会環境も大きく変化しています。働く人たちは日々忙しく、仕事と家庭の両立に追われながら働いているのが現状です。
そのような時代において、企業は成果を求められ、個人は効率や生産性を求められる場面が増えました。しかし、成果や利益だけを追い続ける働き方では、長く持続する組織をつくることは難しいのではないでしょうか。
だからこそ今、改めて注目されているのが、埼玉県深谷市出身の実業家 渋沢栄一の思想です。

渋沢栄一とは何者か|日本資本主義の父

渋沢栄一は「日本資本主義の父」と呼ばれ、第一国立銀行をはじめ、約500の企業や団体の設立に関わりました。
銀行、鉄道、保険、教育、福祉など、日本の近代社会の基盤づくりに大きな役割を果たした人物です。
その思想を象徴する言葉が、代表的な著書『論語と算盤』 にあります。

『論語と算盤』が伝える「道徳と利益は両立する」

この本の中心にあるのは、
「道徳と利益は対立するものではなく、両立すべきものである」
という考え方です。
企業が利益を追求すること、個人が成果を追い求めることは当然です。

しかし、行っていることが社会や人にとって正しいものでなければ、長く続くことはありません。
一方で、理想や理念だけでは企業は成長できません。
だからこそ、道徳(社会的価値)と利益(経済的価値)を両立させることが重要だ
と渋沢栄一は説きました。
この考え方は、現代の人材育成や組織づくりにも大きな示唆を与えています。

人材育成に必要なのは「思考の軸」

短期的な成果や効率だけを追い求める組織では、社員は疲弊し、やがて組織の持続性は失われてしまいます。
一方で理念だけを掲げても、企業としての成長は難しい。
大切なのは、
・社員が納得できる価値観
・社会にとって意味のある仕事
・企業としての成果
この三つを両立させることです。
これはまさに、人事が担うべき重要な役割と言えるでしょう。
人事は単に制度を運用する部門ではなく、「企業の価値観」と「組織の成果」をつなぐ存在
だからです。

稲盛和夫・大谷翔平にも影響を与えた思想

『論語と算盤』の思想は、多くの著名な経営者やリーダーにも影響を与えてきました。
京セラ創業者の 稲盛和夫氏 は、経営において「人として何が正しいか」を判断基準とする哲学を掲げましたが、その思想は渋沢栄一の考え方とも通じるものがあります。
さらに近年では、メジャーリーガーの 大谷翔平選手 がこの本から影響を受けたことでも知られています。
プロ1年目を終えた際、日本ハムファイターズの栗山英樹監督から『論語と算盤』を手渡された大谷選手は、難しい本だと感じながらも、自身の目標管理シート(マンダラート)に「論語と算盤を読む」と書き加えたと言われています。
目標達成のための努力だけでなく、人としてどうあるべきかを大切にする大谷選手の姿勢は、『論語と算盤』の考え方とも重なります。

渋沢栄一の思想からそれぞれの思考の軸を考える

こうした背景から、『論語と算盤』は単なる歴史的な経営書ではなく、現代の働き方や生き方を考えるうえでも重要な一冊として読み継がれています。
人手不足が続き、働き方が多様化する今の時代、働く人にとって必要なのは「成果」だけではなく、自分自身が納得できる 思考の軸 ではないでしょうか。
忙しい日常の中で、なぜこの仕事をするのか。
どのような価値を社会に提供しているのか。
そうした問いを持つことが、結果として組織の持続的な成長につながるのだと思います。
特に埼玉県の企業にとって、渋沢栄一の思想は決して遠い存在ではありません。
同じ地域から生まれた思想に触れることで、企業のあり方や地域との関係を改めて考えるきっかけにもなります。

『論語と算盤』を活用した人材育成ワークショップ

私たちは埼玉県の企業として、渋沢栄一の思想に触れる機会を広げたいと考え、
『論語と算盤』を活用したワークショップ にも力を入れています。
本を読むだけではなく、参加者同士の対話や意見交換を通して、それぞれの仕事や組織のあり方を見つめ直す時間をつくっています。
忙しい日常の中では、立ち止まって考える時間はなかなか取れません。
しかし、だからこそ本をきっかけに思考の軸を見つめ直す場が、これからの組織づくりや人材育成にとって大きな意味を持つのではないでしょうか。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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